WebMoney インタビュー Interview WebMoney インタビュー Interview #03

株式会社コロプラ代表取締役社長 馬場功淳氏インタビュー 株式会社コロプラ代表取締役社長 馬場功淳氏インタビュー

株式会社コロプラ代表取締役社長

馬場 功淳ばば なるあつ

1978年、兵庫県生まれ

2003年、ケイ・ラボラトリー(現・KLab)に入社。個人で『コロニーな生活』を開始し、2007年にグリー株式会社に転職。「iアプリ」の開発に従事した後、2008年に株式会社コロプラを設立。同代表取締役社長に就任。

馬場 功淳さんのプロフィール写真 馬場 功淳さんのプロフィール写真

01 01 誰よりも先に位置ゲーに着目できた理由

まずは、『位置ゲー』に着目したきっかけを教えていただけますか?

馬場当時は最初から位置ゲーに着目していたわけでなく、当時、働いていた会社でケータイ公式サイトのサービスを作っていましたが、その頃はまだスマートフォンではなくフィーチャーフォン全盛期で、しかもパケット使い放題プランなどもなく、サービスを利用すればするほどパケット代がかかっていた時代でした。

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馬場そこでいくら良いサービスを提供できたとしても、お客さまの通信料金がかさんでしまうという悩みを抱えていたところ、ある通信会社が「データ定額制」というサービスを始めました。たしか月額で定額4000円ぐらいだったと思いますが、これがすごい衝撃で、さっそく自分も加入して試しましたが、まだ肝心のサービスが追いついておらず、使い放題が必要になるほどのサービスがほとんどないという状況でした。

私も当時その使い放題プランに加入していましたが、確かにあの頃はまだサービスが少なかったかもしれません。

馬場はい、ケータイでPCサイトを見ようとしても表示は小さいし、ケータイ会社の公式サイトはそれぞれ独立してて違うキャリアからは自由に見れない。そこで一部の個人が誰でも楽しめるようなサービスを作ろうと動き出し、私も何か作ってみようと動き始めたのがきっかけでした。

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馬場どんなサービスが良いか調べるなかで、どうやらケータイの位置情報を拾えることがわかり、当時はGPSではなく基地局の位置情報でしたが、結構な精度で取得できるということがわかった瞬間、「この位置情報を使ってサービスをやったら面白いんじゃないかな」と思い、作ったサービスが『コロニーな生活』の原型です。当時は他のサービスがなかったせいか、サービス開始からすぐに1,000人もの方にご利用いただきました。

Twitterなどもない時代にいきなり1,000人というのはすごいですね。

馬場はい、その後も爆発的に増え、結果的にはその使い放題プランのあるケータイ保有者のうち2万人もの人が『コロニーな生活』に遊びに来ていました。確かにTwitterのように拡散手段がない中でこれだけの人に使っていただいたことを考えると、みんな新しいコンテンツを待っていたのかもしれませんね。

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02 02 電子マネーに注目したきっかけ

そんなサービス拡大の中、WebMoneyをはじめ、電子マネーに着目したきっかけを教えていただけないでしょうか?

馬場ユーザーさまの規模が大きくなるにつれ、サーバーの買い足し、買い替えとやはり相応のコストがかかるようになり、ユーザーさまに課金してもらえる方法がないか、探すようになりました。そこでまず導入したのが「ギフト券」で、某有名ECサイトのギフト券を送ってもらったら「コロプラ内でアイテムを増やす」ということを始めてみました。このアイテムの付与も、当時はひとつひとつ手動で付与だったんですけど。

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手作業でというところに時代と愛を感じますね。

馬場そのギフト券によるアイテム付与の手応えがあったのですが、次の問題は、もらったギフト券では私の使い道が限られてしまうということでした。当時はまだそのギフト券で買える商品ラインナップも少なく、ギフト券のままではサービス強化に予算をかけにくかったこともあり、他の課金方法を探して電子マネーにたどり着いたというわけです。そして最初に申し込んだサービスがWebMoneyでした。

私も当時『コロニーな生活』にハマっていた一人でしたが、運営者である馬場社長から「WebMoneyを導入したい」というメールをいただけたことに驚き、「ぜひ私が担当したい」と会社に申し出た記憶があります。当時は公式サイトの課金以外では、アフィリエイトや広告でしか収益化する手段がなかった時代。そんな中、「価値」を換金化するお手伝いができたのは、私たちにとっても光栄です。

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馬場当時は個人サービスはどこも相手にしてくれなかった時代でしたが、WebMoneyを導入できたのは、とてもありがたい話でした。あの時、あの契約がなかったら、コロプラはなかったかもしれません。

03 03 第二の『コロプラ』を目指す若い世代に

当時、着メロが全盛だった時代に「位置ゲー」に着目したり、ガラケーで盛り上がっていた時代にどこよりも早くスマホゲームに参入したりと、常に先々を見通した行動をとっていますが、ぜひその秘訣を教えていただけないでしょうか。

馬場そんな秘訣というものはありません。たまたま今後の可能性のある領域がポカッと空いていたこと、そして単純に「今ないものを作りたい」という強い思いだけでした。もちろん作ってきたものの中には当然当たりはずれがあって、コロプラの歴史の中にも「なんだこりゃ?」というものもたくさんありました。何度もチャレンジして「たまに当たる」という感じです。

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私はスマホが、紙以来の人類にとって革新的な発明だと思っていますが、 馬場社長にはこのスマホを取り巻く今後のゲーム業界、ウェブサービスの未来はどう見えているでしょうか?

馬場現代生活の中では今やスマホの占有率はものすごく高く、コミュニケーションだけでなく、ゲーム、買い物、仕事…と、自分の生活がスマホ一台で成り立つ状況で、その「スマホ時間の争奪戦」が、各事業者間で起こっています。コロプラを立ち上げた頃とは違い、今は新しいサービスを作っても、空いている領域を見つけても、すぐ他の事業者が参入し、埋まってしまう…

そんな中でも、ユーザーさまにとって新しい体験ができる分野には、まだ参入する価値があるのではと考えています。

例えばどんなことが新しい体験になるでしょうか?

馬場最近で言えば、ショート動画サービスは新しい体験ですね。それと10代の子たちの間で流行っているアバターサービス。ネット業界が長い人から見ると「なぜまたアバター?」という印象ですが、若い人たちから見ると「新しい体験」そのもの。そう考えると、「新しいもの」というのは何も「目新しいモノ」ではなく、その人にとって「新しい体験」ということ。業界に長くいるとまたかと思うことでも、まだ体験していない人にとってそれは新しい体験になるので、若い人の感覚にこそヒットのチャンスがあり、そのヒントは気づいてないだけで、自分の身のまわりにまだまだあるんじゃないかと考えています。

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